Tuesday, September 8, 2009

今こそ「大学再生機構」の設置を
2009年08月31日
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執筆者
吉田 賢一
吉田 賢一
上席主任研究員 産業政策・技術戦略クラスター ビジネスデザインクラスター
専門分野:行政学、地方行政/環境政策、循環型社会システム論/地域政策/大学経営改革/大学マネジメント論

本文
依然として厳しい大学の経営環境

 日本私立学校振興・共済事業団の調査によれば(注1)、2009年度の地方の私立大学で定員に占める入学者の割合(入学定員充足率)は、定員割れの大学が570校に対して46.5%となった。この結果からは過去最悪の前年度から0.6ポイント改善しており、不況の影響で受験生の地方指向が増え回復傾向にあることが示されている。しかしながら、定員の50%に満たない大学が前年度よりも増加し31校となっており、経営環境の厳しさに変わりはない。仮に回復の傾向を期待するとしても、入学した学生が学費を負担しきれずに退学するケースが後を絶たず、文部科学省も全国の約1200の国公立私立大学・短大を対象に、経済的理由により中退した学生数や授業料滞納者の状況に関する緊急調査を始めている。各大学でも独自の奨学基金の整備や運用の柔軟化などにより対応を進めていることから、事態は深刻と受けとめざるを得ない。このように大学の経営環境は決して楽観できる状況にはないのである。これらをもう少し財務データから見てみよう。

今こそ「大学再生機構」の設置を:コラム「研究員のココロ」|日本総研:コンサルティング